レンズ交換式のデジタルカメラを使っているならば、必ず持っておいてほしいアイテム「ブロアー」
エアーを吹き付けるだけの道具だが、使い心地はさまざま。
カメラ用ブロアーについて深堀りしている記事は少ないので、少しでも皆さんの参考になればと思う。
エツミ/キューティーブロアー
まず感じたのは握り込みの軽さ、そしてポンプの戻りの早さ。小気味よくスパスパできる。これはノズル先端の穴径が今回比較したモデル中最大である事に起因すると思われる。
ノズル先端が緩いカーブを描く形状は他には見られない特徴
エアーの吐出量は少ないが、短い時間でまとまって出るため、勢いよく握ればそれなりに強い風圧を作り出すことができる。
ただしゆっくり握ると非常に弱い風になるため、握力の弱い人にはあまりおすすめできない。
ノズルの長さは中程度、ノズルの材質は硬化したシリコンのそれである。カチカチではないがまあ硬い。誤って撮像素子に触れてしまったときに、ぎりぎりキズつけないで済むかもしれないくらいの硬さ。
ノズルのカーブは一長一短かな。ポンピングをしているときはいいけど、持つとき毎回位置決めするのは面倒かも。
自立はするが転倒防止機構はない。
ユーエヌ/ジャンボハリケーン ブロアー
握り込みは、エツミ/キューティーブロアーに次いで軽い。ポンプの戻りの早さはキューティーブロアーには及ばないもののストレスを全く感じさせない。ノズル先端の穴径は比較モデル中で中間の大きさである。
ノズルの長さは長め、ノズルの材質はやや硬めのシリコン。とりあえず安心な硬さではある。
自立はするが転倒防止機構はない。
トータルバランスは良いが、デザインや質感はいまひとつ。出てくるエアーがゴム臭いのはご愛敬か。
焦点工房/SHOTEN シリコンブロアー
握り込みは比較モデル中最も重い。これはポンプ部の材質と厚みによるものと思われる。ポンプの戻りの早さは、ユーエヌ/ジャンボハリケーン ブロアーと同程度で小気味よい。
ノズルの長さは短いため、フランジバックの深いデジタル一眼レフには向かない。ミラーレスカメラやレンズ表面などには使いやすい。
ノズル先端の材質はメタル調のめっきが施された樹脂製でとても硬い。製品購入時に透明のチューブが付いているので外さずに使ったほうが無難である。
自立はするが転倒防止機構はない。
見た目は悪くなく手触りは良いので、二つ目や携帯用としてどうだろうか。
ハクバ/ハイパワーブロアープロ L
まず比較モデル中で最大のポンプ部の大きさに圧倒される。
ノズル先端の穴径はエツミ/キューティーブロアーに次いで大きいため、風速のあるエアーは苦手かと思いきや、圧倒的なポンプ容量により、エアーの吐出はなかなかにリッチである。
キューティーブロアーと違って、ゆっくり握っても実用的なエアーの吐出力があるため、握力に自信がない人にもおすすめできる。
ポンプ部が大きいため、手のひらで大きく握りこむタイプだ。
先端の長さはフランジバックの深いデジタル一眼レフにも余裕を持って対応できる長さであるが、材質はプラスチックのため、撮像素子やシャッター部に触れないように充分注意する必要がある。
ポンプの大きさが売りとも言えるが、その大きさ故に携帯性はよろしくない。
自立はするが転倒防止機構はない。
VSGO/タンブラーエアーブロアー V-B01
質感が素晴らしく高級感がある。
比較モデル中、最もコンパクトなブロアー。ノズル先端の穴径も比較モデル中、最も小さい。
気になるエアーの吐出力だが、吐出量はさほど多くないものの、流速のあるエアーにより実用に耐えうると感じた。
触り心地はさらさら系の柔らかいシリコン。そしてなんとノズル先端まで柔らかいシリコン製である。これほどまで柔らかい素材だとは実際に触ってみるまで想像していなかった。
ポンプ部の握り込みは、重すぎず軽すぎず適度な重さであるが、後述する特殊な構造により、握れる部分がかなり限定される。手のひらではなく指先を使って握りこむタイプだ。
そしてこのブロアーの最も特徴的なところは、お尻の部分に錘が仕込まれており、「おきあがりこぼし」のように自立状態で安定することである。コロコロ転がりがちなブロアーの欠点を見事に解消している。
エアーの吸入口にはダストフィルターがセットされており、ブロアー内部にホコリを吸い込まない構造になっている。
ノズルが短いので一眼レフには少々物足りないが、携帯用としては最強のブロアーではないだろうか。
VSGO/ノズル取替式ブロアー V-B02
ノズル交換式となっており、先端の長さを用途によって取り替えることができる。付属のノズルはロングとショートの2種類である。
ポンプの容量は、同じブランドのタンブラーエアーブロアーと比較して2倍ほど大きく、あちらが携帯モデルとするならば、こちらはデスクトップモデルという位置づけだろう。
ノズル先端の穴径はタンブラーエアーブロアーに次いで、比較モデル中2番目に小さい。
ポンプが大きくエアーの吐出量も充分で、握り方によっては力強いエアーブローも可能である。ポンプの握り込みの重さも適度であり、非常にバランスのよいブロアーだと感じた。
触り心地はさらさら系の柔らかいシリコン製だ。特談すべきはロングノズルの柔らかさである。私はいまだかつてこれほどまでにカメラに優しいノズルを見たことがない。すべてのブロアーにこのノズルの採用を義務付けて欲しいほどだ。
そしてこれはメリットであり、デメリットでもあるのだが、使用時に静電気が発生しブロアーにホコリが吸着する。エアーブローで舞い上がったホコリを吸着するのはなかなか良いと思うのだが、黒いブロアーに白いホコリはどうしても目立ってしまう。
転倒防止構造として、お尻の部分が吸盤状になっている。ただしフラットな面でなければ吸盤が機能しないため置き場所を選ぶ。起き上がらなくても良いので、「立ったたまま安定するこぼし」だったら完璧だった。
こちらのモデルもエアーの吸入口にはダストフィルターがセットされており、ブロアー内部にホコリを吸い込まない構造になっている。
いろいろ使ってみた結果、私はこのブロアーが一番のお気に入りではあるが、最大の欠点は価格が高いこと。ブロアーに3,980円出せるのであれば間違いなくおすすめできる。
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