いまさら聞けない カメラの露出のキホン

2019.06.21

写真の露出(明るさ)はどうやって決まるの?

基本的に、①シャッター速度 と ②絞り値 の2つで決まります。
デジタルカメラの場合は①②に加えてISO感度(イソかんど)の設定でも露出は変わりますが、その話はとりあえず置いといて後ほど説明します。

まずはじめに

デジタルカメラは、光を電気信号に変換して、写真(画像データ)をつくります。
光はまず、カメラのレンズを通って、撮像素子(さつぞうそし・イメージセンサーともいいますね)という部分に当たります。
光が撮像素子に当たると電気信号に変換され、そのあと画像処理回路によって写真が生成されるという仕組みです。
つまり撮像素子に光を当てれば良いわけですが、光が当たりっぱなしだと、電気信号がどんどん増えて、終いには真っ白な写真になってしまいます。
そこで、光の当たり具合をいい感じに調節してあげる必要があるのです。
そこで出てくるのが、「シャッター」と「絞り」というわけです。

シャッターってなに?

シャッターはレンズと撮像素子の間にあって、撮影の瞬間だけ撮像素子に光を当てる役目があります。
撮影していないときは光を通しません。0か100です。
そしてシャッターが開いている時間を変えて、撮像素子への光の当たり具合(露光量)を調節することができるようになっています。
 例えば、aという光の強さで1秒間シャッターを開いたとすると、
  a(光の強さ) x 1(秒間) = A(露光量) という式になり、
 同じ光の強さで2秒間シャッターを開いたとすると、
  a(光の強さ) x 2(秒間) = 2A(露光量) という式になります。
 開いている時間が 1/2秒なら、0.5A(露光量) ですね!

シャッターが開いている時間を「シャッター速度」といいます。
シャッター速度が変わると露光量が変わって、その分だけ露出も変わるというわけですね。

絞りってなに?

シャッターのところで、撮像素子の前にシャッターがある と説明しましたが、シャッターのさらに前のレンズの中にあるのが「絞り」という部分です。
絞りの中心の穴が大きくなったり小さくなったりして、光の通る道の大きさが調節できるようになっています。
絞りの穴の大きさのことを絞り値といい、F〇〇という数字で表されます。
例えば、F2.0/F2.8/F4/F5.6/F8/F11/F16…のように。
絞りの穴の面積は、絞り値の数字が左にいくほど大きくなります。
つまり、 F2.8よりF2.0の方が、穴の面積が大きくて光をたくさん通すということになりますね。

 F2.0の次にF2.8と書きましたが、F2.8のときの絞り穴の面積はF2.0のときの半分になります。
 つまり、光が通る量が半分になります。
 F4の時の絞り穴の面積はF2.8のときの半分になります。

F値が変わると露光量が変わって、その分だけ露出も変わるというわけですね。

露出はシャッター速度と絞り値の組み合わせで決まる

露出モードがM(マニュアル)のとき、露光時間(シャッター速度)と露光量(絞り値)を任意に組み合わせることで、写真の露出が決まります。
シャッター速度を遅くするか、絞りを開けると露出は明るくなります。
逆に露出を暗くするには、シャッター速度を速くするか、絞り値を小さくします。

シャッター速度も絞り値も同じ1段

※以下、【A】,【B】,【C】 は露出モードはM(マニュアル)で、同じ条件・設定からスタートします。
【A】シャッターが開いている時間を1/2の時間にすると、露光時間は1/2になります。
【B】絞りの穴の面積を1/2にすると、露光量は1/2になります。
このときA)のケースでは「シャッター速度を1段速くした」と言い、【B】のケースではは「絞りを1段絞った」と言います。
【A】と【B】はどちらも、露出は1段分(同じだけ)暗くなります。
露出を明るくする場合も同様です。
【C】シャッターが開いている時間を2倍にし(露光時間は2倍)、かつ絞りの穴の面積を1/2(露光量は1/2)にすると、+1段-1段=±0段となり、結果的に露出は変わりません。

デジタルカメラはISO感度も変えて撮影できる

ISO感度というのは、オーディオ機器のボリュームのようなものです。
音量が足りなければボリュームを上げるように、光の量が足りなければISO感度を上げて露出を明るくすることができます。
ISO感度の1段も、シャッター速度や絞り値の1段と同じだけ露出が変わります。

このようにシャッターと絞り、そしてISO感度も一定の刻みで動かすことができるため、撮影者の意図に応じて自由な組み合わせで設定できるようになっているのです。

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